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  • 2013.12.02 Monday
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交通事故のお勉強(6) 消極損害2〜逸失利益

さて,長らく中断していた交通事故のお勉強の再開でございます。

といってもそんなに時間が有るわけでもなし。簡単&徐々に勉強を進めていきたいという所存でございまする。

さて今回は,一番面倒くさい計算が待っている,「逸失利益」の問題です。


1.逸失利益とは?

 逸失利益。いっしつりえき。ワープロで一括変換できない言葉ですが,いつしつりえきで返還して出してください。余計な知識でしたね。

 逸失利益は,別名「将来得べかりし利益」とかいいます。意味がわかりませんね。「得べかりし」ってどういう意味だよ何語だよ,と仰る方は,大学受験の参考書を見られるとすぐにわかるかもしれません。

 すなわち,「本来得られるはずだった利益」という意味です。

 例えば,交通事故により死亡してしまった場合,もし生きていればどのくらいの利益を得られていたか,ということになります。

 この利益というのは,基本的に給料を貰っていた人であれば,定年退職まで給料をもらえたはずです。しかし,死亡事故によってそれが無くなった。だったらその分を払えよ,という考えなのです。


 ん?

 将来なんてわからない。絶対にそんな利益(給料とか)をもらえるとは限らないじゃないか。将来会社が倒産するかもしれないじゃないか。
 将来,もしかしたら宝くじに当選して,数億円手に入れていたかもしれないけど,それは考慮されないのか。
 将来その人は大企業の社長になるかもしれない逸材だったのだ。もし彼が起業していれば,年間数十億円の売上を発生させていたはずかもしれない。

 ですって?

 そういう

 複雑かつ妄想的な話は頭から排除してくださいヽ(`Д´)ノ

 前にも述べたかもしれませんが(言ってなかったかな?),よくも悪くも「交通事故」については,裁判所の過去の判例等により,「定型化」しています。

 定型化しているからこそ,計算式が成り立つものであり,この計算により損害額を確定するのです。
 妄想じゃなかった夢,未来を考えればキリがありません。ですので,それまでは対象にするわけにはいかないのです。
 っていうか常識でしょ。

 
 なお,死亡事故だけにかかわらず,後遺障害を負った場合,当然通常の生活とは異なり,仕事も事故前と同じくできるとは限りません。

 この場合,後遺障害の等級により,「労働能力喪失率」を算定し,この喪失した労働能力に値する損害金を請求することができます。

 これを「後遺障害の逸失利益」といいます。


 すなわち,逸失利益を考えるときは,死亡事故か後遺障害が発生した事故,ということになります。

 この逸失利益があるのと無いのとでは,損害賠償額が大幅に違います。

 交通事故に遭った!
 だから数百万円請求できるはず!

 などと安易に考えないでください。つーか考えないか。
 高額になるのは,ほとんどこの「逸失利益」がある場合です。

 交通事故に遭った場合,後遺障害やましてや死亡するよりも何も無い方が数百倍いいことです。
 交通事故の被害者は,別に事故により利益を得るものではありません。
 交通事故の示談とは,本来得るはずだった利益,そして現実に支出した損害を填補してもらうための手続です。
 儲け話とは違うのです。


2.死亡の場合の逸失利益の算定方法


 さて,具体的な話にはいりましょう。

 死亡した場合,当然その死亡された方が得るはずだった利益を算出し,これを請求することになります。

 いきなりですが,死亡による逸失利益の計算式を言います。


 年収×(1-生活費割合)×就労可能年数に対するライプニッツ係数

 以上です。

 はい。わけがわかりませんね。
 自分も初めて見たときには理解すらできませんでした。
 これで説明終わり〜なんていったらケンカ売っているのか,と言われかねません。

 順序だてて説明します。

 年収はわかりますよね。
 その死亡した人の年収です。
 実は,これがクセモノなのです。

 普通のサラリーマンで定額の給料しかでていなければ問題ありません。
 単純に年収を割り出せばいいのです。

 しかし,収入が一定しない人はどうすればいいのか。
 そもそも収入の無い主婦とか子供はどうすればいいのか。
 無職ヒキコモリはどーすればいいのか。ヒキコモリだから交通事故に遭わないか。
 経営者はどうか。
 
 こういった場合の「年収」ってどうすればいいんでしょうか。
 これが本当に問題になるのです。

 現段階では説明を省きます( ´∀`)


 だって面倒くさい説明が多すぎるので,今始めると時間が無いのです(何の)。

 ですので,まぁとりあえず賃金センサスって言葉を一応覚えてください。
 いつか役立ちます(なんていい加減な説明)。

 
 さて,これで年収はわかられたと思います。無理かもしれませんが。

 次に,さらにわけのわからない「(1-生活費割合)」という意味です。

 これは計算式をじっくり眺めても,気分が悪くなるだけで意味が絶対にわからないと思います。

 これは,死亡した本人が生きていれば,当然の「生活費」がかかるわけです。
 この生活費を予め控除しよう,という考えなのです。

 裁判実務では,ほぼ下記のとおりの割合で控除しています。

 (1)一家の支柱(被扶養者1名)・・・・40%
         (被扶養者2名以上)・・30%
 (2)女子(主婦・独身・幼児を含む)・・30%
 (3)男子(独身・幼児を含む)・・・・・50%

 一家の支柱なんて言葉,ほとんどの人は使いませんね。
 大黒柱〜ということです。
 家族を支えている人,ということでございますね。

 それにしても。

 なんで男子は生活費がかかりまくっているんかい!ヽ(`Д´)ノ

 女子とそんなに異なるかなぁ。男子は浪費癖がある,とかそういう固定概念で考えられているんだろうな。


 とりあえずここまで。次回に続きます。
 
 

 
 

信号無視死亡事故で信号守った人起訴(大阪地検)

ニュースソースはYahoo。→こちら


名古屋のホテルから更新でございます。

さて、ホテルについてネットに接続して一番最初に目に入ったのがこのニュースでした。

確認すると、「青信号」で走っていた人が、「赤信号」で信号無視した車に衝突。
そして「赤信号」無視のドライバーと同乗者が死亡。

大阪地検は、「信頼の原則」から「青信号」で交差点に進入した人について、嫌疑不十分として不起訴処分としました。

しかし、死亡した遺族から「検察審議会」にかけ、その結果、大阪地検は再捜査し、そして業務上過失致死罪として在宅起訴をした、というニュースです。

ニュースソースにも書いてありますが、いわゆる隼くん事件で「信頼の原則」を破棄し、起訴したケースがあり、今後「信頼の原則」理論が厳しく運用されることとなりそうです。

今回、再捜査の上起訴された理由として、「100メートル先から信号無視を確認できた」ということ、「制限速度を30キロオーバーしていたので、時速90キロも出していたこと」ということらしいです。



うーん (´・ω・`)


どうなんでしょ。


確かに、制限速度違反、前方不注意、見通しが良いということから、たとえ赤信号を無視して交差点に進入してきた車を確認できたとして・・・・。

皆さんはどう思いますか?

車を運転している人だったら、多分わかると思うけど。
ある程度「信頼して」運転ってしていません?

例えば危ない運転をしている奴とか、交差点で「こいつ赤信号だけど動きそうだな」とか、そういう感覚ってあるじゃないですか。
それでも、「でもいくらなんでも信号無視とかはしないだろう」と予測して運転していません?

これが信頼の原則ですよね。
ガードレールがある道路で、突如ガードレールを飛び越えて人が道路に出てくるって予想がつきます?
高速道路で歩行者がいるなんて想像つきます?

たしかに、今回のケースは具体的事情がわからないから一概にはいえないけど。
どう考えても過失割合でいえば「赤信号」無視に問題があると思う。

今回のこの起訴が、最終的に判決で実刑+執行猶予とかそうなるのか、それとも「無罪」となるのかさっぱりわかりませんけど。
一応、結構交通事故に関して重要な裁判例になるかもしれません。そういう意味では注視されるものですね。

まぁ。

それでもいうならば。

どんな理由があろうとも。


赤信号無視をするな。



交通事故のお勉強(5) 消極損害1

交通事故の法律相談
交通事故の法律相談


考えてみれば土曜日も仕事。でも仕事さぼってクロノクルセイドを読んでいたのは内緒さ。

さて,続いて交通事故のお勉強タイムといたしましょう。


今度は「消極損害」についてです。

消極損害とは,ようするに「本来得られるはずであったものを交通事故で失ったんだから,それを賠償しろよん」という意味になります。


1.休業損害


 これは,仕事に従事していた人が,交通事故により仕事を休まなければならなくなり,その結果,休んだ分の給料を支払え,という請求になります。

 上記の説明のとおり,「現実に休んで,かつ給与が出なかったこと」が必要となります。
 たしかに交通事故に遭ったとして,仕事を数日休んだとしても,現実給料がそのまま支払われていたら,損害は発生していませんから休業損害を請求することは原則としてできません。

 休業損害の計算方法は,以下のとおりになります。

 1日の基礎収入×休業日数=休業損害

 おお,なんとわかりやすい計算か。

 しかし,1日の基礎収入とはなんざんしょか。
 
 これは事故当日から3ヶ月前までの間の給与総額を,暦日数で割っちゃったものをいいます。簡単です。
 労災などでも,この給付基礎日額は重要になります。

 ちなみに休業日数は証明する必要がありますので,ちゃんと勤務先に休業日数を証明してもらう書類を作成してもらいましょう。
 自賠責保険での書式を使うのが一般的です。

 なお,重度の後遺障害を患った場合,症状固定(治癒)になるまでの間,最終的に後遺障害の等級が判明されない間も,休業損害が発生します。
 これは労災のとき問題になるので,労災の手続に関して若干説明します。


 勤務中の交通事故(通勤中とか)の場合,加害者に対して損害賠償請求ができることは当然として,会社が加入している労災保険でもその損害を支払ってくれます(労災として認定された場合)。

 労災でも,当然休業損害を支払ってもらえます。これを「休業補償給付」といいます。ついでに病院代などの療養費も労災保険から支払われます。労災は労災で,支払ったあと,過失割合などを比べて,最終的には加害者側に請求しますけどね。

 労災での休業補償給付も,前述の休業損害の計算と同様,暦日数×給付基礎日額で計算しますが,それが全額支給されるわけではないのです。この点重要。

 「休業補償給付」で労災より支払われるのは,60%だけです。
 そのほか,「特別支給金」として20%支給されますので,受け取る被害者からしてみれば,80%を支払われると思ってください。

 すなわち,わかりやすくいえば,1ヶ月30万円くらの給料を貰う人がいて,事故に遭いました。
 基礎日額が1万円としましょう。

 すると,休業補償で支払われるべき金額は,1ヶ月300,000円のはずです。

 しかし,労災で支払われるのは,そのうち 60%である180,000円だけなのです。
 特別支給金として60,000円支給されますので,現実に被害者が受領するのは240,000円ということになります。

 あ,ちなみに,この60%というのは給付基礎日額にかけてください。
  × 給付基礎日額×日数=A円 A円×60%=給付金 ではなく,
  ○ 給付基礎日額×60%=B円 B円×日数=給付金 です。
 若干端数がかわることがありますので,これは一応注意。あと小数点は切り捨て。

 さて,240,000円しか支給されないわけですから,残りの60,000円は誰が払うのでしょう。
 当然,加害者になります。
 ですから,事故日から3日分の休業損害(そういう決まりになっています)と,労災保険から支給された分の差額は加害者に請求しなければなりません。

 わかりやすくいうと,労災保険では60%しか払ってくれないんだからよ,残り払えやコラという意味になります。

 
 ここで勘違いをしてはいけません。その差額とは,80%労災から支払われるのだから残りの20%を支払えばいい,という意味ではありません。

 あくまで,労災で支給される休業補償給付は,60%なのです。

 20%は特別支給金です。これは損害には入りません。
 ということで,前述の例でいえば,加害者は120,000円を支払わなければならない,ということになります。

 被害者ロゼットさんは,加害者クロノさんにこう請求できるのです(クロノクルセイドの余韻がまだ残っているのさ)。

 ロゼット:私の休業損害は,月額300,000円。だから300,000円支払えクロノ。
 クロノ :ちょっと待ってよ,労災保険がおりているんだから,300,000円のうち労災から支払われた180,000円は控除してよ。だから,払うのは120,000円でしょ。

 こういうことになります。

 この労災から支給された180,000円分を本来加害者に対し請求できる金額から相殺することを,


 損益相殺


 というわけです。

 これを覚えておいてください。
 損益相殺については,上記参考書の204Pから載っています。確認してください。
 

 次回は消極損害のうち,「逸失利益」について勉強したいと思っています。

 さて今日は忘年会だ。飲みすぎに注意しましょう。

交通事故のお勉強(4) 積極損害2

交通事故の法律相談
交通事故の法律相談



1.治療関係費

考えてみれば,まったく治療関係費について説明していませんでした。



(1)治療費
 
 治療費には,診察料・入院費等が含まれます。
 治療のため必要かつ相当であれば全額請求することが可能です。

(2)入院中の特別室使用料・差額ベッド料
 
 これは,要するに入院中「個室」を使った場合,その個室代金も請求できるのか,ということになります。
 通常,個室は高いです。ええ,かなり高いです。
 でも入院する人にとっては,ざわざわした相部屋よりも,個室を望むかもしれません。どうせ加害者が支払うんだ,いい感じで療養させていただきましょ。といえるのでしょうか。
 
 これは,「医師の指示」「特別の事情」があれば認められます。
 個室でなければならない理由がちゃんとなければ,請求は認めない,ということです。
 単なる贅沢で個室は使うな,ということですね。

(3)入院中の食費

 これは認めるという判例があるようです(参考書119p)。
 まあ,だからといって入院中にステーキばっかり食いまくって一日数万円食費がかかりました,なんて請求は間違ってもできかねます。

(4)針灸・マッサージ費用

 交通事故の場合,どうしても痛みが取れないためにマッサージにいったりとか,針灸などをして痛みを和らげたりします。
 これは,一般的には「医師の指示がある場合」に限り認めるということなのですが,参考書にもありますとおり,医師の指示が無くとも認められたケースもあります。

(5)治療器具費

 必要であれば認められるでしょう。

(6)温泉療養費

 医師の指示もしくは必要性(温泉治療が効果ある場合)がある場合は認められるとのことです。

 が。

 温泉って本当に効果あるんかな。
 何しろ温泉の素を入れているエセ温泉もあるわけだし。

(7)将来の治療費

 これは結構難しい問題です。
 将来,治療必要があるか否かはわからんところが多いと思います。
 それを事前にもらえるのか,ということになります。
 結論から言えば,必要性があると認められれば請求可能です。
 医師ともよく相談して,今後の治療が必要なのか,確認しないといけません。

 なお,将来のお金を現在に得るときには,必ず「中間利息」を控除しないといけません。本当に控除しなければならないのか疑問はあるけど。
 中間利息については,また別に説明します。今は聞き流してください。

(8)医師・看護師への謝礼

 これ,本来は認めるべきなのかなぁと個人的見解はあるものの,社会的に相当な範囲で認められています。
 30万円とか20万円とか,判例も金額は様々ですが,請求することは可能です。
 でも,これって現実に支払っていなければ請求できませんよね。あんまし考えたこと無い。

(9)入院雑費

 1500円。
 
 ええ,なんといわれようとも一日1500円。

 そう覚えましょう。批判もあるでしょうが1500円。

 これは,すなわち入院中,日常雑貨用品代,電話代とかそういうものの請求ということですが,これをいちいち一枚ずつ領収書を出せとかそういうことになると煩雑なため,一律,一日おいくら,と決めましょう,ということになっています。

 赤い本では1500円と定額化しており,金額が一番高額ですから,そう思っておけば問題ないです。


(10)将来の雑費

 これは複雑です。
 先ほどの将来の治療費と同じく,将来の雑費が請求できるか否か。
 結論としては,当然請求できると考えます。
 たとえば重度の後遺障害を残した被害者が,将来的に必ず「おむつ」を使わなければならないとするならば,亡くなるまで「おむつ」を購入しつづけなければならないわけです。
 これについて,平均余命分,請求するという考えです。
 なお,これも「中間利息」を控除します。

(11)見舞い客に対する見舞い返し・快気祝い・接待費

 認められません。
 あくまでこれは被害者が見舞いにきた人に感謝の意を表してのものであり,損害としては認められないのです。

 しかし,見舞い返しって何かのような言葉だな。

(12)入院付添費

 被害者が入院したとき,例えば奥さんとかご両親が付き添うことがあるかと思います。
 この費用を請求できるか,ということになります。
 結論としては,医師の指示があるか,また怪我の程度や年齢などから付添いが必要と考えれられる場合は,請求可能ととらえています。

 職業付添人の場合は,その費用実費全額。要するにヘルパーさんとかですね。
 近親者の付添の場合は,赤い本では一日6500円としています。

(13)通院付添費

 通院の場合も,必要があれば付添費を請求できます。
 これは赤い本では一日あたり3300円としているようですね。

(14)介護費

 後遺障害の症状固定後の将来の付添看護費のことを,「介護費」といいます。

 後遺障害とは何か。症状固定とは何か。
 これについては後日別のところで細かく説明します。

 要するに,重度の障害を受け,例えば寝たきりになってしまうなどの状況については,将来までずっと介護が必要になるのです。
 この場合の介護費についても,損害として認める,ということになります。
 介護期間は,被害者が亡くなるまでです。
 そんないつ亡くなるかわからんだろう,という人もいるでしょう。ですので,これも平均余命で考えるのです。

 これも職業付添人(ヘルパー等)の場合は実費。
 近親者の場合は一日8000円としています(赤い本)。

 ただ,介護の程度により金額が変動します。常時介護か随時介護なのか,と。
 なお,これも一時金で請求する場合は,「中間利息」の控除が必要です。

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 何回も中間利息控除の話が出ていますので、この辺で例として,この介護費の計算の仕方をちょっと紹介します。

 仮に,後遺障害が1級と認定された人がいて,その人が事故に遭った年齢が30歳の男性だったとします。介護は常時介護と考え,近親者の介護とします。

 30歳の平均余命・・・・49.21年
 (よーするに79.21歳まで生きられる,という考え)

 一日の介護費・・・・8000円とします。

 さて,この場合,単純計算で,

 49.21年×8000円×365日=143,693,200円

 という計算が成り立ちます。
 将来の看護費,1億4369万3200円ですよ!Σ(゚ロ゚)

 ところが,これは将来順々に支払われていた場合。
 一時金として,一括でもらう場合には,中間利息を控除しなければなりません。

 年齢30歳のライプニッツ係数・・・・17.981(平均余命)

  8000円×365日×17.981=52,504,520円

 となるわけです。
  
 すなわち,1億4369万3200円請求できるところ,中間利息を控除すると,5250万4520円しか請求できない,ということになります。

 その差額たるや9118万8680円!  

 というわけで,上記の例でいえば,5250万4520円を一括請求するということになります。

 ライプニッツ係数ってなんじゃ!ヽ(`Д´)ノ

 そういわれると思いますが,後で説明します。面倒くさい複雑な説明になりますので,別のところで細かく。

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(15)交通費

 当然請求。
 でも,過剰なタクシー代とかは否認されますよ,と。

 そろそろ書くのが面倒になってきたな


(16)住宅改造費

 必要があれば。

(17)将来の器具代(義眼・義足・義歯・車椅子等)

 必要があれば。

(18)葬儀費用

 赤い本では150万円。

 絶対に足りないと思う。

(19)弁護士費用

 不法行為なので相当因果関係が認められれば請求可能。
 だいたい,総請求額の1割と言われています。それがそのまま判決で認められることは無いとは思うけど。

 和解のときにはだいたい無視されます。


 以上がだいたいの積極損害の内容になります。

 最後の方は随分と投げやりな感じがするかもしれませんが気のせいかもしれません。

 次は「消極損害」について勉強しようと思います。

 疲れた・・・・。


交通事故のお勉強(3) 積極損害について癸

交通事故の法律相談
交通事故の法律相談


さて第3回目です。
今回は,「積極損害」について勉強したいと思います。
なお,参考書(上記「交通事故の法律相談」)では,119ページから138ページまでのことであります。

積極損害とは,前回も書きましたが,

要するに「現実に俺が金払っているんだからその分返せ」損害と言い換えられます。いや言い過ぎ&下品でした。

具体的に勉強しましょう。

1.治療関係費


 これは理解しやすいと思います。交通事故により受傷したときに,当然病院代がかかります。
 これを加害者は支払う義務がある,ということになります。
 もっとも,この治療関係費は,自賠責保険・任意保険・労災保険で支払われることが多いので,被害者が直接病院に支払うことは無いかもしれませんが,実はこれについてはちょっと問題があるのです。

 過失割合にて被害者にも責任があるとなると,自己負担分が出る可能性があるからです。

 これは以外とでかい。病院代はバカにならないですからね。

 なお,交通事故に遭われた方でしたらわかるかと思いますが,交通事故で受傷した場合,とりあえず病院に行くと,

「健康保険証は使えません。全額負担になります」

 などと窓口で言われます。
 全額負担であるとシャレにならん金額を請求されてしまいますが,基本的に加害者が支払うんだから大丈夫でしょ,とか言われるのです。

これ,嘘です。

 病院を悪く言うつもりはありませんが,事実を言わないのは問題があると思います。
 たしかに,交通事故などの第三者による損害についての社会保険・国民健康保険の使用に際し,「第三者による疾病のどーたらこーたら(激・うろ覚え)」の書面を作成したりとか手続はあるのですが,交通事故だからといって健康保険が使えないなぞありえません
 健康保険で給付された場合,損益相殺の問題になるだけであり,健康保険から給付が為されないなどどっからでた話だ、という感じです。

 仮に,加害者が自賠責にも任意保険に入ってなく(自賠責に入っていない時点で別の意味で問題があるが),資力もまったく無かったらどうするつもりなのでしょう。全額負担がどのくらいなのか,ちこっと考えればわかるはず。

 もしかしたら自分にも過失があるかもしれない,今後の話し合いでちゃんと治療費が出るかもしれないけど,まだわからんという場合は,とりあえず健康保険を使って,現実の出費を抑えましょう。

 実は,自分は以前軽い交通事故に遭ったことがあります。
 自転車を乗っていたときに,どん,と車にぶつけられた事故で,たいした怪我ではありませんでした。ひざを擦りむいただけさ(・∀・)
 でも,なぜか救急車で運ばれ,ちょっと有名な病院に搬送されてしまいました。
 そのとき,自分は言いたかったのです。
 ええ,作為的に言いたかったのです。

 「健康保険を使いたいんですが」

 言っちゃいました。
 すると,窓口の女性が言われました。

 「交通事故の場合は健康保険使えないんですよ」

 キター(AA略)。
  
 「どうして?」
 「いえ,そういうことになっていますんで」
 「健康保険が使えないなんて,そんな制度あるの?」
 「いや・・・・制度とかちょっと」
 「使えるんでしょ」

 こういう押し問答をしました。被害者で病院に搬送されているのに,なんて態度でしょうか,俺。

 話にならなかったので,しばらくしたら上司が出てきました。
 上司とお話させていただいたら,その人は,

 「あー,えーと,使えますけど。ええ,使えますけど必要が無いというか」

 などとよくわからん対応をしてきました。
 念入りに,過失が自分にあった場合はどうなるんだ,とか,加害者が支払わなかったらどうなるんだとか説明させていただきました。
 最終的に,上司の方はこういわれました。

 「仰るとおりですが,いつでも健康保険を使用することができますんで,そういった問題の時には,いつでも健康保険証をご用意していただければ云々」

 お前らそこまでして全額負担をさせたいんか!ヽ(`Д´)ノ

 まぁ,ここまで書いて思いましたが,自分に対しても

 イヤな患者だな,おい。

 と正直に思いました。ごめんなさい。某病院。


 まぁ,ということで,健康保険証は使えます。相手方の任意保険会社とかが誠実ではないとかそういうことがあり,最初に結構病院代を負担しそうな状況であれば,臆することなく健康保険証を使いましょう。
 最初の実費負担分は,本当に多額になるケースもあり,注意された方がいいと思います。

 ああ,余分なことを書いていたら長くなってしまった。
 積極損害の具体的詳細については,次回にということで・・・・。


交通事故のお勉強(2) 損害賠償請求の内容

交通事故の法律相談
交通事故の法律相談


さて,交通事故のお勉強第2話。

交通事故に被害に遭った場合,どのような損害を請求できるのでしょうか。
また,加害者になってしまった場合,どのような損害を請求されるのでしょうか。

これを一般的に「損害賠償の範囲」といいます。

この損害賠償請求の中に,「精神誠意謝れ。土下座しろ。頭つけて詫びろ!」という精神的なものは存在すらしません。

本来,事故を起こした場合,この精神的な面が非常に問題になります。
仮に死亡事故であった場合,当然遺族の方々からみれば,許せないことであり金銭面で損害を賠償したから許せるということではないのは当然のことであります。

しかしながら,現在の社会では,「謝罪を強制する」ことは不可能です。
死亡事故であれば刑法から当然起訴されるでしょうし,その際の公判にて謝罪の意は表明するでしょう。
しかし,業務上過失傷害であれば,程度の問題・事故の様態等の判断から,略式命令もしくは不起訴の可能性も非常に高いものがあります。この場合,謝罪を聞くことはありません。あくまで加害者の資質によるものになってしまいます。加害者が性格悪く,謝罪しない場合もあるのです。

加害者には3つの責任があります。
「刑法上の責任」
「行政上の責任」(免許取消とか)
「民事上の責任」(損害賠償)

刑事事件で不起訴もしくは略式命令であれば,公判は開かれず,結果刑務所に行くことはありません。不起訴の場合は検察審議会というのがありますが,略式命令などの手続について,被害者もしくは被害者遺族の方が検察官の判断に異を唱えることはできません。
行政上の責任は,あくまで「免許」というものに対するものでしかありません。

被害者にとっては,民事上の責任=お金の問題しか主張できないのが現状です。

悲しい話ですし,許せない話かもしれません。
しかし,これが法律の限界です。法律がそうなっている以上これ以上のことができないのです。
「加害者の態度が悪い」「一度も謝罪にこない」「病院にすら訪れない」「支払いが無い」など,様々な問題が発生したとしても,それは「損害賠償額」の増大の原因になるだけで,すなわち結局はお金の問題になってしまう,ということです。

この辺は異論もあるかと思いますが,一応自分の考えです。
加害者になった場合は,道義的にも法的にもちゃんとした謝罪・誠意は見せるべきだと思うのですが,自分が対応した事件では,本当に対応が悪いケースが多いです。
もう少し,人間としてじっくり考えて欲しいものです。


さて,損害についてですが。


損害は大きくおおざっぱに分けると,

「積極損害」

「消極損害」

「慰謝料」

「物損」


があります。

それに「過失相殺」「損益相殺」などをして損害賠償額が決定します。


「積極損害」とは,現実にお財布からお金が出たもの,と思ってください。病院代,交通費,器具とかそういうものが含まれます。

「消極損害」とは,本来だったらお金が入るはずだったものが,事故により入らなくなったので支払えというもの,と思ってください。休業損害,後遺症による逸失利益等が含まれます。

「慰謝料」とは,その名のとおり慰謝料です。入通院慰謝料,後遺症による慰謝料,死亡による慰謝料と分類されています。

「物損」とは,その名のとおり物に対する損害です。車の損害は当然,たとえば事故により時計が壊れたとかそういうものも含みます。

「過失相殺」というのは,事故の責任の範囲を定め,どちらがどれくらい悪いのか,ということで損害の割合を決めることをいいます。

「損益相殺」というのは,わかりやすく言えば,例えば通勤中の交通事故で,被害者に労働災害がおりて,労災でも保険金が支払われるケースのとき,すでに労災で支払われていれば,その支払いは交通事故の損害に填補される,という考えをするということです。

次回は,「積極損害」について考えていきたいと思います。

交通事故のお勉強 (1) まずはじめに。

交通事故に対する対応については,経験上覚えているものではありますが,そろそろ再度勉強しないといけないと思いました。

もう一度基礎から勉強して,訴訟等対応できるようにしておかないと,いざというときにああああああああと言いかねない気がしますので。

つーか実際

_| ̄|○ <アアアアアアア・・・・・・

と言いたい状況でもあるからなのです。


まずは何から勉強しましょう。


まずは教科書を選びましょう。

交通事故の法律相談
交通事故の法律相談
加藤 了

とりあえず,この本を購入しました。
以下,上記「交通事故の法律相談」を参考書として引用させていただきまする。


本当は,通称「赤い本」(東京三弁護士会交通事故処理委員会等「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準」)で勉強するのが一番いいんですけどね。
この「赤い本」を裁判所も参考資料としていますし,どの弁護士事務所にも置いてあるはずの本ですから。

ただ,一般的に入手するのが難しい(わけではないが)と思いますので,もし仮にこのブログを読まれて本を購入されたい,という人がいた場合のことも考え,上記参考書にしてみたものです。

一見してみると,中々読みやすい本でした。
ただ判例の記述が多いので,一般の人には何がなんだかわからんかもしれないなぁ。



交通事故というのは本当に身近に発生する法律トラブルだと思います。

自分が気をつけていても,交通事故に巻き込まれることもありますし,ふとした不注意から事故を起こしてしまうこともあるからです。

交通事故は,すなわちかなり一般生活に関係する法律問題だといえるわけです。

だからこそ,知らなかったです,わかりません,というのは通用しません。
法律なので難しいところもあるかとは思いますが,それでも知らなければならないことでもあります。

自分が勉強するついでに,ネタとしてこのブログでも重要なことについて記述していこうと思います。


ただ,このブログだと過去の記事が下になるんで改めて読み直そうとすると読みづらいんですよね・・・・(´・ω・`)


何が重要かなぁ。
とりあえず,交通事故で健康保険証が使えないというのは真っ赤な嘘であること,とか,
損害額の基準とか,自賠責ってなんじゃとか,後遺症の等級に不満がある場合とか,そういったところですかね。


法律の名称について

法律の名称について。


民法とか刑法とかいう言葉は良く聞くでしょう。


ですが,現在仕事をする人で,「派遣」の人も多いと思います。

労働者を保護する法律は「労働基準法」等多数ありますが。

派遣に関して定めている法律は,以下の法律になります。


「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」



略して「派遣法」。




長いよ!Σ( ̄□ ̄;)

新破産法について(3) 

要点解説 新破産法
要点解説 新破産法


さて続き。


4.免責の審理について変更(新法250条2項)

 ええと,参考書には「新法では,旧法のような免責審尋期日の開催は必要的なものではなくなった。」(参考書141頁から引用)とありますが・・・・。


 Σ(゚ロ゚)

 
 必要的ではなくなっただけで,開催しないというわけではないのですが。
 もし,開催しなかったとしたら・・・・。

 現在,即日申立がありますから,申立人(破産者)は裁判所に行かず,代理人である弁護士が書類を持っていって,裁判所に破産申立をし,その場(3日以内)で審尋し,破産決定がなされます。

 もし,免責も書面審査だけで済むのであれば・・・・・あれ?破産者は裁判所に一回もいかないで終了することもあり?

 やはり,実務上免責審尋は行われるでしょうね。たぶん。


5.免責不許可事由の変更(新法252条1項各号)


 破産をして,破産が決定し,破産廃止になったとしても,借金がなくなったわけじゃありません。依然として破産者は破産者の身分でありながら,借金は返さないといけないのです。

 この支払い義務を無くす手続きが,免責です。

 新法により,破産申立=免責申立になったわけですが,免責をもらえなければ結局破産した意味はなくなるわけです(申立人の立場からすれば)。


 では,免責決定とは必ずでるもんなのか?


 基本的に免責はでます。
 新法においても,「裁判所は,破産者について,次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には,免責許可の決定をする。」(新法252条)とあります。

 すなわち,「次の各号に掲げる事由」=「免責不許可事由」に該当さえしなければ,免責許可が決定する,ということになります。

 実務的な話ですが,基本的に我々は,「9割以上の破産申立は免責をもらっているよー」と説明します。根拠は薄いですが。

 しかし,2002年の個人自己破産申立は22万人を超えます。てことは,前述の理論から考えると,簡単に考えて,年間2万人近い人が免責を得ていないことになっちゃいます。
 2万人は多いなぁ。でも,実際そうかもしれません。最高裁の統計を調べないとわかんないでしょうけど。面倒くさい。

 それで,免責不許可事由に該当するか否か,がもっとも重要になるのです。
 今回,免責不許可事由についても変更がありました。

 一番重要な4項「浪費または賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ,または過大な債務を負担したこと」は変わりません。
 よーするにギャンブルとかで多額の借金を作ったけど,借金払いたくないから破産しよっと,ってのは許さんぞコラということですね。

 詳しくは条文を読んでもらえればいいんですが,一度免責を受けてから,もう一回破産をし,免責をもらえるまでの期間が10年間から7年間に変更になりました。
 これはちょっと大きな変更かな。


6.非免責債権について改正

 これは一般の人には難しい問題かもしれませんが,実務上色々と考えなければならないところではあります。

 新法では,破産者が故意または重過失により加えた人の生命・身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権については,非免責債権となりました。

 要するに,故意に人を殺したり,傷つけたり,重過失により交通事故などで追わせた怪我等についての損害賠償については,免責されないことになるのです。

 すなわち,破産申立のときにこれを免責してねーと言ってもダメっつーことです。
 被害者からみれば,損害を与えられたのにもかかわらず,破産をしたことによってその損害すら填補されないとなれば,あまりにも酷い話であるからです。当たり前と思われるかもしれませんが,それが条文に記載されました。

 また,養育費・扶養義務者として負担すべき費用に関しても,非免責債権になりました。
 養育費の未払いとかはよくある話です。離婚して子供に養育費を払う約束をしていたが,債務超過になり払えなくなる。だから破産申立してもうその義務から逃れよう,ということができないということになります。

 実務経験上,この養育費等の問題は,結構あります。破産申立の際,この養育費等についてはどうすればいいか,という問い合わせがあります。
 今後は,ちゃーんと破産手続きをして,借金を整理して,その後子供や家族に対して責任を果たしなさいね,といえるわけですね。

 ただ,この養育費等については,調停調書・公正証書・契約書などでちゃんと具体的な請求権であることが必要となります。




以上,簡単にまとめてみました。
これ以外にも重要な変更点があるのですが(否認権について。偏頗弁済などの特定とか),あくまで一般的に通常関係する点の変更箇所をまとめたものになります。
自分の解釈等に間違いがあるかもしれないし,今後の手続きで色々と実務的な変更・追加があるかもしれません。
そういった点については,今後も記載していこうと思います。


しかし,はやく新破産法に適応した書式例が欲しいですな。
裁判所及び弁護士会に確認したのですが,まだ書式は完成していないとのこと。
はやく配布して欲しいものです。

まずは一勉強終了。

新破産法について(2)

要点解説 新破産法
要点解説 新破産法
日本弁護士連合会倒産法制検討委員会


とりあえず参考書を一読しました。

まず最初にショックだったとことは,参考書の


字が読めなかったこと。_| ̄|○


自らの頭の悪さを非常に痛感させられました。

参考書の11頁,「民事再生法,会社更生法と平仄を揃えて」と記述されているのですが,この「平仄」が読めませんでした。


激・恥ずかしい。


「ひょうそく」と読むのですね。( ´∀`)



で,今回の新破産法では,色々と変更されていることがわかりました。

今回は,個人自己破産申立に関する件について,その変更点についてまとめたいと思います。管財人に関することは面倒くさいからな


1.破産申立により,免責申立も同時に行ったとみなされること(新法248条4項)。

 つい数年前までは,破産申立をし,破産決定後,1ヶ月以内に新たに免責申立をしなければなりませんでした。免責申立時には新たに「債権者名簿」をつけて申立をしていました。
 それから最近では,破産申立書に同時に免責申立を記載して,わざわざ1ヶ月後に申立をする面倒はなくなりましたが,本改正により,自動的に免責申立をすることになったようです。
 
 ただし,破産決定後1ヶ月以内に免責申立をするという条文は残されました。
 なぜに?
 よーするに,「債権者破産」の場合と「債務者が自ら免責を申し立てたくない場合」のため,そういった期限を残したわけですね。

 免責を申し立てたくないという債務者(破産者)の意図を問い詰めたい。


2.破産申立前の強制執行等も中止されること(新法249条1項)

 これはでかいなぁ。
 今まで,破産申立前の強制執行については,その効力は失いませんでした。
 すなわち,たとえば破産申立前に,給料を債権者から差し押さえられた場合,破産申立をしてもその給料差押は継続して,免責決定を受けるまで、毎月給料の一部を取られていたわけです。
 
 しかし,新法により,強制執行等については,免責申立をし,同時廃止等の決定があった場合は,その強制執行等が中止になるということになります(国税滞納処分は除く)。

 破産申立後の差押は禁止されていましたが,それ以前の場合は仕方無いねぇ,といわざるを得なかったのですが,これで安心です。
 
 ただ,実務上,その中止の場合,何ら債権者・裁判所執行部に通知無く強制執行等が中止になるのか否か,この点についてはまだ不明らしいです。本日,法務省と東京地裁に確認しましたが,結論はでていないようです。

 なお,ついでに,今までは破産申立→破産決定までの間の強制執行は禁止されていたけれども,免責申立→免責決定までの間の差押は禁止されてはいなかったのですが,新法になり免責申立→免責決定間の強制執行も禁止になりました。 


3.自由財産の範囲が変更(新法34条)

 これも大きいなぁ。
 参考書には「新法の改正点の最大の目玉の一つ」(131頁)とかかれていますが,まさにそのとおりだと思います。

 知らない人には意味がわからないとは思いますが,今までこの自由財産で結構実務上困っていたのであります。

 
 破産には,大別して「破産管財人型」と「同時廃止型」というのがあるのですが,実務上一番困るのが「破産管財人型」なんです。

 本来,破産の趣旨から考えれば,必ず破産管財人は入れるべきなんですけど,管財人のため,費用が必要になるのです。すなわち,破産申立時に「予納金」を入れないといけないんですね。

 これが馬鹿にならないのです。安くない,といえばわかりやすいでしょうか。

 同時廃止型であれば,予納金は2万円程度で済みます(郵券は別)。弁護士に頼まないで自分で破産を申し立てる場合,3万円弱で済んでいたわけですね。

 しかし,管財人が入るとなるとそうはいかない。
 現在は少額管財制度がありますから(東京・大阪等),安くなったとはいえそれでも20万円は必要なんです。債務額が大きいとか,財産を意外と持っている場合には,数十万円〜数百万円の予納金が必要になります。

 破産をするためには最低でも20万円の現金が必要ということです。

 債務者がちゃんと用意できれば問題ないのですが,窮状から考えてそう簡単に20万円以上の現金を用意することは難しいと思われます。
 
 では,「破産管財人型」「同時廃止型」を分類する基準とは何なのでしょうか。

 一概には言えないのですが,わかりやすく考えていただくには,「債務者(申立人)に財産が無いこと」だと思ってください。

 んでは,その財産って何よ(´・ω・`) と言われるかもしれません。

 それはある程度の基準がありました。「21万円以上の財産」ということです。それは総額。たとえば保険の解約返戻金だとか,退職金だとか,現実に有している現金・預貯金のことではなく,すべての財産を換価した場合に得られる財産が21万円以上あれば,管財人型,という考えでした。

 これは厳しい。現実には,21万円以上の財産を有している人が結構いるのです。ただ,換価していないから(退職金については貰っていないから),その財産があるかなんて判断しづらいからなんです。
 だから,ある程度財産(車とか)を持っている人は,少額管財にせざるを得ず,予納金を用意するか,もしくは何とか先に財産を処分(換価)して,その上で同時廃止で破産を申し立てるしかなかったのです。

 今回,この自由財産の範囲が変更になりました。


 「標準的な世帯の2月間の必要生計費(民執131条3号)を基準として政令で定める額の1.5倍に拡大」(参考書131頁より引用)


 すなわち,「99万円」までが自由財産として認められることになったのです。

 これは,「債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ること」(新法1条)を目的とするため,こうなったものであります。

 もっとも,この99万円の範囲および範囲の拡張については,参考書ではまだ定まりきっていないところがある,と指摘されています。
 今後,実務上裁判所の判断によって,判断基準が定まっていくものと思われます。
 手続きは少しばかり煩雑になるかもしれませんが,債務者(申立人)にとってはかなりいい話ではないでしょうか。
 

 その他の改正点等についてはまた次回。


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