本日(平成18年4月10日),Yahooでこんなニュースが報道されましたよ。
路上殺人、懲役13年…争点絞り込み1か月で判決
殺人事件なのに,初公判からわずか1ヶ月でのスピード判決。
これができたのは,ひとえに裁判員制度の核のひとつである「公判前整理手続」によるものです。
これは,公判前に集中的に事件整理をすることです。
(1) 公判前整理手続の創設
○ 第一回公判期日前に,十分な争点整理を行い,明確な審理計画を立てることができるよう,裁判所が主宰する公判前整理手続を創設する。
○ 検察官,被告人・弁護人は,公判で明らかにする予定の主張を明らかにして証拠調べ請求をするものとし,裁判所は,事件の争点を確認し,公判で取り調べる証拠を決定するものとする。
○ 公判前整理手続終了後に新たな証拠調べ請求を行うことを制限するものとする。
などと首相官邸のホームページに記載されています。
まぁ公判手続き自体を知らないと何を言っているのかさっぱりさっぱりだと思うのですが,この制度自体どうのこうのいうわけではなく。
今回のニュースを見てびびったのが。
検察側は今回、特別公判部の検事5人を投入したのに対し、弁護側は、国選弁護人が3人。独自でもう1人の弁護士を応援に頼み、証言を書き取るため事務所の職員にも常時、傍聴させた。公判証言の調書ができ上がるのは数日後になるため、裁判所から録音テープを借り、職員を多数動員してテープ起こしをしたという。高橋弁護士は「連日開廷では、組織で動く検察に比べて、弁護側は圧倒的に不利だ」と語った。
というところですか。
恐ろしい(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
正直,毎日毎日出廷して準備をするなんて最悪の世界です。
正式な調書もないから,自分たちで調書を作らないといけないなんて。
本当に,弁護士およびその職員たちを殺す気か,と思いますよ。
絶対無理。
ええ,本気で無理です。
だってそれしか仕事がないわけじゃないもん。
他の仕事なんて一切できないじゃん。しかも調べて主張してさらに補充することなんて時間的に無理ぽ。
検察は訴える側だし事前に資料を徹底的に準備してから起訴するけど,弁護側はメチャクチャ資料がない状況からスタートするんだから洒落になりません。
冤罪が一切ない。
絶対に警察および検察の調べたことがいっぺんたりとも間違いない。
この原則が徹底的に守られているのであればいいですけど。
そうじゃない場合はどう対応すればいいのかと。
人を殺した人が刑罰を受ける。これは当然です。
でも,そうでなかったら?
小説とかドラマしかないかもしれないけど,策略の上犯罪者に仕立てられた人が起訴されたとしたら?
その真実をあばくのは
名探偵コナンくんしかいないとでもいうのですか?
そういうことから,裁判ってのは重要なんですよね。
まぁ詭弁にちと近くて,だいたい起訴された人はほとんど真実犯罪を犯している人なんですけどね。でも,この大原則は忘れちゃいかん。
この公判前整理手続自体を批判するつもりはないし,そもそも裁判が時間がかかりすぎる(判決かくのに数ヶ月かかる裁判所も問題だ)のは当然改善しなきゃいけない話ではあるのですが。
弁護側は大変だわこりゃ。